もう何年も前だけどフランスにいった時、何処かの美術館にモネの部屋というのがあった
そこは丸い部屋になっていて壁一面にモネの睡蓮の連作が展示されていて
どこの壁を見ても睡蓮というすごい部屋だったんだけど
さらにオツなところは部屋の真ん中にこれまた円状のソファがおいてあるところで
そこに座った時の眺めといったら!
まるで睡蓮の中に自分も浮いているような感覚!
ちょっと大袈裟かも知れないけど・・(実際僕は一時間ほどもそこにいた)
江村さんのこの間発売になった新譜を聴いた
まず感動したのは何年も待ちわびたその盤がここにあるということ
聴いて思い出したのがなぜかモネの部屋
江村さんのうたの世界は手の届く範囲の感動だと考える人は多いかも知れない
でもそれが意外にでかいというかもう小宇宙!
だと気づくにはこの盤を一度聴くだけでじゅうぶんだ
印象派とよばれるモネの睡蓮は大きな筆づかいで淡い選色、少しぼやけたような画法
なのだがそのなかで力強く咲く睡蓮の花や大きく張った葉に何か強いもの感じるのは
僕だけだろうか
しかも連作でみるとさらに量り知れないパワーを放つ
あのオンリーワンな歌声で綴る江村さんのうたは本当にやさしくて力強くて
三十三にもなるいっぱしの大人の男をも包み込む包容力を持つ
このall dogs go to heaven を聴いていると
まるでモネの部屋にいるみたいだ
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